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Dream Story
- Les autres me
- 01.【Premonition】 02.【Reunion / Confusion】 03.【Enchante】 04.【Avis】 05.【Pause-temps】 06.【panier-repas】 07.【l'heure du dejeuner】 08.【Apres l'ecole】 09.【Burger World】 10.【Regle】 11.【auto haine】 12.【sermonner】 13.【Maniere】 14.【Dans la Accueil】-Si mon- 15.【Dans la Accueil】-Si Ryou-
- 16.【La privation de sommeil】
- ⇒+ remise +
- ⇒+ aller a TEXTE +
- ⇒+ aller a principal +
ドアを開閉する音だけが無機質に響き渡る。
自分の他に誰も居ないと解ってはいるが、一応口に出してみる。
「ただいまー。」
勿論だが応えは無い。
真っ暗だな。
久し振りに日が落ちてから帰宅した。
何故だか少し嫌な気分になる。
それは「寂しい」とか「切ない」とか、そんなものとは少し違うと思いたい。
ただの反動なのだろう。
今日一日が楽しかったから。
ボクはそんな想いを消す様に次々と部屋の明かりを点けながら奥に進む。
真新しい白い壁、傷の無い床。
また直ぐに転校するかもしれないと思っていた頃から変わらない必要最低限の家具。
今まではすぐに引っ越してしまうからと開封すらしなかったダンボールはもう全て空けてしまったが
それでもこの家の広さには少な過ぎる量だった。
一人暮らしと転校を繰り返して二年。
ボクは漸く長く住める環境を手に入れた。
制服のジャケットを脱ぎながらリビングテーブルの椅子に腰掛ける。
お腹すいたな。
それにしてもまさか彼女が本当にボクのクラスに?
今でも俄かに信じ難い。
何年振りだろう。ボクがまだ家族と暮らしていた頃。
ボクとは仲が良かった。何時も一緒に居た。
彼女の柔らかい雰囲気は気を使わなくて一緒に過ごす時間はとても安らかだった。
−あんな事になるまでは。
鞄の中を開ける。その一番上に入れられた一点の曇りも無い金色の装飾品−千年輪。
其れを中から取り出してまじまじと眺めてみる。
『よぉ宿主サマ。』
不意に頭の中に響く声。ボクの隣に浮かび上がる半透明の身体。
振り返ると、腕を組みながら斜め上からにやついた眼に見下される。
ボクにそっくりだけど…鋭い目付きと雰囲気は似ても似つかない。
遊戯君達に会うまではボクも知らなかった、
千年輪を手にした時からボクの中に住み着いてる、もう一人のボク。
「キミか。何?」
『おいおい何だよ。つれないじゃねぇの。』
「ボク疲れてるんだ。ちょっと静かにしててよ。」
テーブルの方に向き直りながら出来るだけ不機嫌な声を出す。
彼はこうして偶に話し掛けてくる。
それは日に何度もだったかと思えば、数日の間全く出て来ない時もある。
話題も時間もタイミングもまちまちで、完全に彼の気分次第だ。
正直に言えば…それが楽しい時もある。
何せこの家にはボクしか居ない。
話し相手が欲しい時もある。
だけど考え事をしている時等は堪ったもんじゃない。
今はあまり話したくない相手だ。
『面白そうな奴だったなぁ?とか言ったか?』
ぎくりとする。何故彼がの事を?
千年輪は身に着けなければ彼が出てくる事は無かったのではないか?
ボクとは反対に、どこか楽しそうに話す彼に不快感を覚える。
『何だ。知り合いか?』
「…もう変な事しないでよ?」
『変な事とは酷ぇじゃねぇの。オレ様はテメェの為にしてやってたんだぜ?』
低い声で喉を鳴らす彼に背筋が凍る。
ボクの…為?
そう。ボクが転校を繰り返していた理由は…彼そのものだ。
「そのせいでボクがどんなに大変だったかキミ、解ってるの?」
『そんな事ぁ知らねぇなぁ。』
何が楽しいのか今までの低い声と話し方からは想像出来ない様な高笑いを始める。
何時もそうだ。何が楽しいのか馬鹿笑いをする。
躁病なんじゃないの?偶に真剣に思う時がある。
「ならボクの為にも大人しくしててよ。もう面倒事はやだよ。ボク、今の学校気に入ってるんだ。」
『それはオレ様だって同じだぜ?それに、オレ様は心を入れ替えたんでねぇ。』
「嘘ばっかり。」
横目で盗み見ると相変わらずにやにやとしている彼にボクは反射的に思った事を言い捨てる。
ボクの言葉を受けても特に変わった様子は無い。
ならば本当に口から出任せだったのだろう。
斜め後ろに浮かび上がった彼とは反対に、テーブルに向かっていたボクの背後から気配が消える。
今のでどっと疲れた。
もう。一体何なんだよ。
以前、もう一人のボクは遊戯君の中に居るもう一人の遊戯君に負けた。
デュエリストキングダムでもちょっかいを出していた。
地下迷宮では助けてくれたけど…あまり信用は出来ない。
遊戯君達は優しい。
もしかしたら…ボクが把握してる以上にもう一人のボクが迷惑を掛けているのかもしれない。
ボクは彼が表に出ている時は記憶が無い。
気が付くと知らない所に居たりする。
遊戯君達は優しいから…ボクに言ってない事もあるのかもしれない。
その事に関して詮索するつもりは無い。
隠していてくれているのに、態々蒸し返す事も無いと思ってる。
だけど…それが偶に寂しいと思う時もあるのは…事実だ。
色々考えていたら愈々空腹が増す。
こんな事考えていたって仕方無い。
ボクは千年輪を首に掛けるとキッチンへ向かった。