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Dream Story
- Les autres me
- 01.【Premonition】 02.【Reunion / Confusion】 03.【Enchante】 04.【Avis】 05.【Pause-temps】 06.【panier-repas】 07.【l'heure du dejeuner】 08.【Apres l'ecole】 09.【Burger World】 10.【Regle】 11.【auto haine】 12.【sermonner】 13.【Maniere】 14.【Dans la Accueil】-Si mon- 15.【Dans la Accueil】-Si Ryou-
- 16.【La privation de sommeil】
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- ⇒+ aller a TEXTE +
- ⇒+ aller a principal +
「ったく、何やってんだよ貘良達ー。」
「ごめーん!」
城之内君がむくれて文句を言い出す頃、やっと貘良君とさんが上がってくる。
ボクは小走りにやって来る二人を自室に招き入れる。
「お邪魔しまーす。」
「わぁー…。」
直ぐに入って来る貘良君とは対照的にさんはドアから中を伺うばかりで中々入って来ない。
部屋を見回してばかりだけど…何か変なのかな…?
ふと目線が絡む。
すると物珍し気な顔をしていた彼女は微笑む。
「何か…男の子の部屋って感じ。」
「はぁ〜?何言ってんだよちゃん。あったり前だろぉ?」
「あぁそっか、ははっ。」
「お邪魔しまーす!」
やっと全員入室する。
ボクは机の引き出しからカードのストックを出し、皆が輪になって座っている中に入る。
「いよーし!んじゃ早速やろうぜ!?」
「先ずボクと城之内君が一回デュエルしてみるから見ててね。」
「うんうん。」
昂揚しているのか少し頬の染まったさんは大きな目を開いて真剣な面持ちで頷く。
「手加減しねぇかんなっ!」
「ボクだって負けないぞ!」
「お手柔らかにしてやれよ〜遊戯。」
「なんだとぉ!?見てやがれよ本田ぁ!いくぜ!」
「「デュエル!!」」
城之内君の先攻で始まった勝負は中々に長引いた。
早々に引かれて仕舞った真紅眼黒竜に、防戦一方にならざるを得ない。
更に二枚の伏せカードが精神的にボクを追い詰める。
嫌な感じだなぁ…。
「へっへーん!どうした遊戯!?」
「まだまだここからだよ!」
「ボクのターン!ドロー!!」
来た。キミを待ってたんだよ!
「魔法発動!大嵐!!」
「な゛ぁ!?」
「更に、ブラック・マジシャンを召喚!!」
「だあぁ!!?」
「ブラック・マジシャンで真紅眼黒竜を攻撃!!」
「うおぉぉ!!!」
「ぐっ…魔法発動!スケープゴート!!」
『そう簡単にはいかない様だな。相棒。』
『もう一人のボク!』
頭の中に直接響く声。
隣に浮かび上がるボクそっくりな半透明の身体。
『大丈夫さ!ここから追い上げだよ。見てて!』
城之内君はスケープゴートを壁に時間を稼ぎたかったみたいだけど中々手札に恵まれず、
勢いのついたボクはその後あっさりと押し切ってしまった。
「ちっくしょー!負けちまったぜー!!」
「でもボクも途中かなり追い詰められたよ。」
「まさか伏せカードが一掃されちまうとはなぁ…。」
「城之内君、あれ何を伏せてたの?」
「あぁ、あれか?」
「あのまんま場に出てればブラックマジシャンは落とし穴に、スガーン!だったのによぉー。」
…危なかった…。
ボクは一瞬背筋がひやりとする。
ふて腐れる城之内君だけど…城之内君は本当に強くなったと思う。
横に視線を送るとさんは…固まってる?
「あれ?どうしたの?さん…。」
「…ごめん…展開が早くて…いまいち着いていけなかっ…た…。」
ボク達はデュエルに夢中になりすぎて、さんの事をすっかり失念してした。
そうだ…彼女はさっきルールを知ったばかりなんだった。
何時ものペースでは早過ぎて事態を飲み込む前に次の展開に移ってしまう、
その繰り返しだったのだろう。
「ご、ごめんねさん!」
「ううん…大丈夫…。」
「大丈夫」と言う彼女はがっくりと肩を落とす。
少し顔を上げると心底困った様に呟く。
「自信無くなるなぁ…何時もこんなに早いの?」
「さんも慣れれば自然と出来る様になるよ!」
「本当かなぁ…。」
「大丈夫だぜちゃん!こいつだって何とかなってんだ!!」
「やっぱり負けちまったけどなぁ〜。」
「そんな事ないよ本田君。正直ボクだってぎりぎりだったんだぜ!」
「本当か!?遊戯!!」
「本当だよ!」
ボクの言葉で城之内君はやっと元気を取り戻した様だ。
さっきはあれが良くなかったとかこうしたら如何かとか検討し始める。
その前に−
「さんも作ってみない?デッキ。」
「私の…デッキ?」
「先ずはデッキを用意しないと始まらないしね!」
「うん…そうだよね。うん!そうする!!」
「じゃあ決まりだね!!」
ボク達は一度下のじーちゃんの店まで下りる。
さんは数あるパックの中から適当に…取り敢えず、40枚になる様に買い揃えた。
ビギナーズ向けのパックを勧めようかとも思ったけど…
あまりとやかく言うのも如何かなって思ったし、自由に選んでもらった。
ボクと城之内君も少しだけ買い足してまた上に戻る。
すぐに戻ると告げるとじーちゃんが少しだけ寂しがったけど…、
お店じゃあんまりカードを広げられないしね。
「…わぁ。何か…また見た事無いカードばっかり…。」
部屋に戻って直ぐに開封して中身を取り出したさんが呟く。
直ぐに城之内君が喰い付く。
「おっ…どれどれ?」
「あっ、でもこれ、武藤君が使ってた!」
「え、本当?」
さんが手に持ちながらそう言ったカードは『ブラック・マジシャン』。
ボクと城之内君は一瞬だけ固まる。
「わぁ…がデッキに入れたら…遊戯君、やりにくくなるね。」
「え!?そ、そうなの!?え?なんで?えぇ!?」
「そ、そんな事無いよ!!」
他意は無いんだろうけど…さんは貘良君の言葉で狼狽する。
ボクは必死に否定するけど…ボクにとってもブラック・マジシャンは切り札な訳で…。
「それに、同じカードが入っていてもデッキは40枚。」
「戦略によって組み合わせ方も人それぞれだし、さんがどんなデッキを作るのか楽しみだよ!!」
「…にしても…レアカードだろ?」
「よく入ってたなぁ…。」
「…レアカード?」
「あんまり入ってない、珍しいカードの事だよ。」
「へぇー…。そんなに凄かったのね、君。」
まじまじとカードを見詰めるさんを横に、城之内君は他に何が入っていたか気になる様で
さんの周りに広げられたカードを拾ってはめくる。
「まぁしかし…やっぱこのままじゃあデッキを組むには難しいかもなぁー…。」
「えぇー…。」
「…そうだね。ちょっと厳しいかなぁ…。」
「そうなんだぁ…残念。」
「…あれ…?」
城之内君が見ていたカードを受け取ってボクも中身を確認し、さんに手渡す。
40枚だけ揃えてデッキを組めると言う事は、残念だけど。まず殆ど無い。
さんは束をめくりながらがっかりしていたけど、ふと手が止まる。
「どうしたの?。」
「いや…何か…このカードの絵…どっかで見た事あるなって…。」
「えぇ?」
「どれどれ!?」
さんが差し出したそれは−混沌の黒魔術師。
「攻撃力2800!?」
「え!?な、何…?」
「凄いよ上杉さん!これ、超レアカードだよ!!」
「ちょ…超?・・・そうなんだ…へぇー…。」
混沌の黒魔術師かぁ…。
さんは魔法使い族の多く入っているパックを選んでいた様だ。
ボクはふと、ある事を思い出す。
そう言えば…。
手元のカードを食い入る様に見詰めているさんに、
ボクはカードのストックの中から一枚取り出し手渡す。
「はい。」
「…?これは…?」
「これは『光と闇の洗礼』。」
「その混沌の黒魔術師を特殊召喚出来るカードだよ。」
「凄い!これがあればフィールドに出しやすくなるのね…。ほうほう…。」
「うん!だから、もしさんがそのカードをのデッキに入れるなら、一緒に使ったら良いんじゃないかなぁと思って!」
「良ければ使ってよ。」
「…えぇ!?」
「そ、そんな、悪いよ!!」
ボクから受け取ったカードを戻す様にしながらさんは慌てふためく。
何だか、見てて微笑ましいと思う。
「でもボクは混沌の黒魔術師を持ってないし、使えないんだ。」
「ボクが持ってるよりさんのデッキに入れた方が、きっとカードも喜ぶよ!!」
「本当に良いの?…あ…ありがとう…。」
「私、大切にするね!!」
「あ、そうだ…じゃあこの中から好きなの一枚!!」
「どうぞ。」と言う様な仕種で束を差し出す。
真顔で畏まって、何故かきちんと正座しながら。
ちょっとだけおかしくて、少し笑いが込み上げる。
「今はまだ良いよ。」
「さんのカードがもっと増えて、使わないカードが出てきたら、その時にお願いするね。」
「…。」
「武藤君て…天使みたいね。」
「今ののカードの中に目ぼしいカードが無いって事なんじゃない?」
「…!!」
「そ!そんな事ないよ貘良君!!」
本田君と城之内君はげらげら笑ってるけど…びっくりしたなぁ…。
さんも、一瞬真に受けたみたいだったし…。
本当にそんなつもりじゃないのに。
「あ…、そろそろ時間。良いの?」
「え?…ああぁ!!?」
部屋に備え付けてある時計を見る。時刻は六時。
まだ少し早い様に感じるけど…さんはかなり慌てているみたいで…。
「私…そろそろ帰らなきゃ…。」
肩を落としながら呟く彼女は、まるで叱られた子供の様だった。
「そんなにがっかりしないでよ!」
「そうだぜ!どうせ、また明日学校で会えるんだしよ!!」
「…うん!そうだよね…また明日、会えるんだ。」
「また明日も遊んでくれ…る、かな?」
みんなそれぞれ頷く。
それを受けてさんは満足気に微笑む。
彼女には笑顔が良く似合うと思った。
「じゃあボクはを送って行くよ。城之内君達は如何するんだい?」
「んぁー…オレ達はー…如何すっかなぁ…?」
「えぇー、もう一回デュエルしようよ!!」
「そうだなぁー…このまま負け越しってのも後味悪いしなぁ!」
「本当!?やったぜー!」
「んじゃあオレも、城之内の勇敢な散り様を見届けるとするかなぁ〜。」
「んだとぉー!!見てろよ本田ぁ!!」
「ははっ。頑張ってね城之内君。勝負の行方、明日教えてよ。」
「おうよ!!楽しみにしてろよぉ!?」
「じゃあボク達はこの辺で。」
「今日は本当にありがとう。楽しかった!!」
「またな!貘良、ちゃん!」
「また明日、学校でね!」
「うん!あ、下まで送ってくよ。」
「ううん、大丈夫よ。」
「…城之内君、待ってるみたいだし。」
さんが指を指した方に振り返ると…既に準備万端な城之内君が居た。
上杉さんと貘良君は二人で面白そうに笑っているけど…ボクは少しだけ頭が痛い。
しょうがないなぁ…城之内君は。
ボクは、彼女の言う通り自室のドアの所で見送る事にした。
「じゃあね。」と手を振りながら階段を降りて行く二人を、見えなくなるまで。