Dream Story
Les autres me
01.【Premonition】 02.【Reunion / Confusion】 03.【Enchante】 04.【Avis】 05.【Pause-temps】 06.【panier-repas】 07.【l'heure du dejeuner】 08.【Apres l'ecole】 09.【Burger World】 10.【Regle】 11.【auto haine】 12.【sermonner】 13.【Maniere】 14.【Dans la Accueil】-Si mon- 15.【Dans la Accueil】-Si Ryou-

16.【La privation de sommeil】
⇒+ remise +
⇒+ aller a TEXTE +
⇒+ aller a principal +



−一体何故こんな事に−


 ボクは今、走っている。
結構必死に。
それと言うのも、クラスの女の子達が執拗に追っ掛けてくるからだ。

−もうやだ…疲れた。

 背後に感じる気配。
咄嗟に階段の影に身を潜める。

「あれー?ここに居たと思ったのにぃ〜。」
「貘良くぅーん!どこー!?」

 ぞっとする。
一体なんなんだよ…もう…。
ボクはその場からそっと立ち去り何時もの避難場所へ向かう。
今頃教室ではと遊戯君達は楽しくお昼を食べてるんだろうか?
少しだけ寂しい気持ちになる。
そんな事をつらつら考えていたら殊の外直ぐに着いた。
−図書室。
人気が無くて静かだし、本が好きなボクには他と無い避難場所だ。

 ドアに手を掛けると…中から笑い声。
…先客がいるのか。
まさかとは思うけど…一応、用心しながらドアを引く。
此処で彼女達に捕まったら元も子も無い。
中を伺う様に入ると其処には−

「あ…あれ?…?」

 すっかり教室にいるんだとばかり思ったのに。

「あれー?了!!」

 にこにこと手を振ったり招いたりしている。
一緒に居るのは…海馬君?

「如何したの?こっちおいでよー!」

 促されるまま彼女の元へ向かう。
また海馬君…一体何なんだ。

「やぁ、それにしても意外だね。教室じゃなかったんだ。」
「ボク、は教室でみんなと一緒かと思ったのに。」
「それはこっちの台詞だよ。了こそ一緒じゃないの?」
「ボク今日はちょっと訳ありでさ…ははっ。」

 苦笑しながらの隣に座る。
机の上には…

「…お節?」
「やっぱりそう思う?」

 煌びやかな重箱と中身。
差し詰め海馬君が用意したものだろう。
はずっとおかしそうに笑っている。
向かいの海馬君は…不機嫌そうだ。
言われなくても目を見れば解る。
『何しに来た。』そう言っている。
ボクはそれに気付かない振りをする。

「何だか凄いね。」
「ほら、やっぱり凄いのよ。」

 楽しそうに笑うと段々と不機嫌になる海馬君。
悪いけど…ボクだって不愉快だ。

「了、お昼は如何したの?もう食べちゃった?」
「あ…お弁当…教室だ。…参ったなぁ…。」
「えぇ?…取ってくる?」
「いや…次の授業まで教室には戻れないんだ…。」
「…?」

 理由は…今は彼女に言いたくない。
不思議そうに小首を傾げていた
それ以上ボクが言葉を繋げないと察するとぱっと明るい顔になる。

「ならさ!一緒に食べようよ。これ。」
「なっ!?」
「えぇ!?良いの?やったぁ!!」

 明らかに動揺する海馬君を尻目にボクは御礼を言いながら取り皿を受け取る。

「おい!貴様、まさかコイツにも分け与えてやるつもりか!?」

 とんとん拍子で進んでしまう状況を打破しようと抵抗する海馬君だが…
残念だけどボクにはこの先がどんな展開になるか想像は容易い。

「えぇ?まだこんなにあるじゃない!」
「それに瀬人はもう要らないとか言って…こんなに残したら勿体無いでしょ?」
「それとも何?了にあげるの嫌なの?」
「瀬人は何時からそんなケチになっちゃったのよ。」

 まるで母親の様に説き伏せる。
何か言いたげにしていた海馬君は結局「くっ…!」と小さく唸った後沈黙する。
ほらね。きっとこうなると思った。
は「ねー?」とこちらに笑いかける。

「でも何だか悪いよぉ…。」
「大丈夫よ!ねっ!瀬人?」
「…勝手にしろ!!」

 思ってもいないボクの遠慮の言葉をが後押しすると、いとも簡単に海馬君は折れた。

「あぁ…でもお箸が無いねぇ…。」

 の言葉に海馬君は…不敵に笑い

「…これ使う?」

 自分が使っていた箸を差し出したに直ぐにまた、まさに「驚愕」と言った表情に変わる。
忙しい人だ。

「え?良いの?」
「良いよ別にー。」
「あ、でもまた後でちょっとだけ貸して?」
「ま、待て!!」

 大声と共に立ち上がる海馬君はかなり滑稽なのだが
は驚いた様でボクに渡しかけた手を引っ込めてしまう。

「な、何…瀬人?」
、お前にはデリカシーと言うものが無いのか!?使い回した箸など…!!」
「…。」
「あんまり…無いのかも…?」
「なんだとぉ!!?」

 絶好調で大声を張り上げる海馬君とは対照的に
きょとんとが答えると海馬君はいよいよ沈黙してしまう。

「まぁそんな怒らないで…はい、取り敢えず座って。はいはい。」

 …面白過ぎる。
今この場にみんなが居ないのが本当に残念でならない。



「…それにしても…仲良いんだね。二人って。」
「んん?そぅお?」

 あの後如何しても納得出来ない海馬君を宥める為に
箸は水洗いしてから使うと言う案により漸く場が治まった頃、
ボクがやっと昼食にありつきながら何気無しに聞いてみる。

「うんっ。だってこんな海馬君今まで見た事ないもん。」
「何?キサマそれは一体如何言う意味だ。」
「いや…何か面白いなーって。」
「なんだと!?」
「はいはい…一々立ち上がらないの、座って瀬人。」

 やれやれと言った感じで宥めるは少し思案する。



「瀬人は…兄サマかなぁ…。」
「兄…サマ?」
「うん。兄サマ。」

 何だか…拍子抜けだ。

「ふぅん。オレはお前の様な出来の悪い兄弟は持った覚えは無いがな。」
「え、ちょま、酷くない!?」

 何時もの調子で満足気に腕を組む海馬君に笑いながら突っ込みを入れる
そう言われてみればそれは、恋人同士の雰囲気でも友人のそれとも違う。
…様な…気が…するのかもしれない…。

「それよりキサマこその何なのだ。」
「教室で突拍子も無く大声で叫ぶなど、見苦しい。」

 前言撤回。これは

「海馬君て…兄サマって言うか…お父さん?」
「ぶっ」
「な、何ィ!?キサマあぁ!!」
「えぇー?」

 思った通りの事を言ったつもりだったのだが…。
飲みかけていたお茶を吹き出したと真っ赤になって怒る海馬君。
…ボク、何かおかしな事を言ったのだろうか?
治まる気配の無いこの場を、予鈴が代わりに強制的に終わらせた。