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Dream Story
- Les autres me
- 01.【Premonition】 02.【Reunion / Confusion】 03.【Enchante】 04.【Avis】 05.【Pause-temps】 06.【panier-repas】 07.【l'heure du dejeuner】 08.【Apres l'ecole】 09.【Burger World】 10.【Regle】 11.【auto haine】 12.【sermonner】 13.【Maniere】 14.【Dans la Accueil】-Si mon- 15.【Dans la Accueil】-Si Ryou-
- 16.【La privation de sommeil】
- ⇒+ remise +
- ⇒+ aller a TEXTE +
- ⇒+ aller a principal +
−見付からなかったら如何しよう…。
不安に駆られて勢い良く教室のドアを開け潜り抜け様とした、まさにその瞬間。
「遅いッ!!!何時まで待たせるつもりだ!!」
その唐突さと、意外さと、声の大きさに私はすっ転びそうになる。
驚きの余り、私の小さな悲鳴は空気と共に飲み込まれ、掠れた音が咽喉の奥で鳴った。
今私が立っているドアと、隣の教室のドアの間、教室を分ける壁の伸びた端の柱の前。
つまり、ドアを出た直ぐ其処に、瀬人は腕を組み、仁王立ちで待ち構えていた。
「な、何も、そ、んな大きな声出さなくったって…!」
待っていてくれたのか…。
少し嬉しくなる。
本来ならここで礼を述べるべきなのだろうが
「瀬人…出落ちって知ってる?」
あまりの意外さにそんな事も忘れてしまう。
「そんな事は如何でも良い。行くぞ。」
「ちょ、ちょっと待ってってば瀬人!!」
また一人だけ先に行ってしまう。
私は置いて行かれまいと手を延ばし−何を思ったのか、彼の制服の裾を掴んでしまった。
「…。」
「…何だ。」
自分でも予想していなかった突飛な行動に、しばしフリーズした後瀬人の言葉で再起動する。
下から見上げた彼は、微かに困惑している様だった。
そして一番大事な事を思い出す。
勢いに任せて飛び出してしまった私は、何も持っていない。
「お昼ご飯…無くない?」
「そんな事を心配する必要は無い。着いて来い。でなければ本当に置いて行くぞ。」
此方に向き直り話す瀬人に私の置き去り不安は不思議と無くなる。
ふと手元を見ると…彼の手には鞄。
そっか…用意してくれてたんだ。
私は足取りも軽く、彼の後に着いて行く。
再会した瀬人は、かなりの長身で、声も低くなった。
六年という歳月で人はここまで変わってしまうものなのだろうか。
まるで別人だ。
…だけど、やっぱり変わらない。
瀬人は何時も私を気に掛けてくれた。
他人と一定の距離を保つのは、昔からの彼の癖。
その方が全体を把良く握出来るんだと、そんな事を言っていた。
昔から何処か達観していたのだ。彼は。
だけど一番驚いた事は…彼の暮らし振り。
施設に多額の援助をしていた人の元へ養子に行ったとは聞いていたが…。
まさかその人が亡くなり、今は瀬人が社長だなんて。
お前いくつだ!私と同じ高校生じゃないのか!?
その事についてあまり話しは聞いていない。
だけど…彼の家の規模からすると、相当大きな会社なのだろう。
…凄いな。瀬人は。
私と同じ、ではないのだ。彼は。
急に遠い存在に思えて。
彼と同じ歩調、一定の距離で歩いているのに、少しずつ、少しずつ離れていく。
そんな幻覚を見る。
そんな妄想から目を背ける様に俯いて歩いて居ると、顔から何かにぶつかった。
あんまりにも驚いて声すら出ずに、咽喉の奥からは空気が掠れる様な変な音が出るのみ。
見上げた瀬人は、ものっ、すごい怪訝な顔をしていた。
「…。」
「あ…はは。ぼぉっとしてたら…ぶつかっちゃった…。」
短い溜め息。狭くなる眉間。
何だか気まずくて、気恥ずかしくて。指先を合わせ持て余す。
見上げた瀬人の硬い表情は、その内ふっと弛緩した。
「何処を見て歩いている。だから平気で迷うんだ。」
「な!?迷子になんかならないよ!!」
「ふん…如何だか。」
優しい笑みで意地悪な事を言う瀬人を下からじと眼で見上げるが、そんなものは何処吹く風。
立ち止まった彼は、目の前のドアに手を掛けた。
しかし其処は、私が想像していた場所とは掛け離れ、酷くひっそりとしていた。
だって此処は…此処って…?
「…図書室?学食じゃないの?」
「あんな騒々しい所で食事など出来ん。」
言いながら悠然と入る瀬人に続く。
古書特有の鄙びた匂い。
それなりの広さのある室内はひっそりと静まり返っていた。
「…誰も居ないけど、此処で食べて良いの?」
「ふぅん。構わん。」
…本当だろうか…。…まぁいっか。
私は日当たりの良い窓辺を選び彼を呼ぶ。ご飯だ!
朝からずっと緊張したり、驚いたり。
普段使わない頭を使ったせいで、すっかりお腹が減った私は、早く早くとせがむ様に瀬人腕をぺしぺしと叩く。
そんな私に彼は表情を変える事無く、自分のペースで鞄の中身を取り出した。
それは…一つ、二つ…み、三つ…四つ!?
「…何だこれ!」
「?見て判らんのか。」
「いや、そうじゃないよね!?」
鞄の中から出て来たのは、まるでお花見か運動会の時にでも使う様なお重。
それらは重ねられる事無く、一つ一つが綺麗な布で包まれていた。
何時もこんなお弁当食べてるの!?
何だか…多方面から衝撃を受ける。
はたと思考に何かが割り込む。
私は学食でこれを広げる瀬人を想像して、不覚にも面白くなった。
これじゃあ学食には行けないよね。
一目見ても高いのであろう事が解るお重の蓋を開けると、その入れ物に見合った中身が丁寧に詰められていた。
「凄い!けど…凄すぎて…なんか…お節みたいだね。」
「良いから食べろ。」
一瞬、ふっと笑った彼が昔の笑顔と重なる。
私は何だか嬉しくなり昔話しを始めた。
20091127 加筆修正。