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Dream Story
- Les autres me
- 01.【Premonition】 02.【Reunion / Confusion】 03.【Enchante】 04.【Avis】 05.【Pause-temps】 06.【panier-repas】 07.【l'heure du dejeuner】 08.【Apres l'ecole】 09.【Burger World】 10.【Regle】 11.【auto haine】 12.【sermonner】 13.【Maniere】 14.【Dans la Accueil】-Si mon- 15.【Dans la Accueil】-Si Ryou-
- 16.【La privation de sommeil】
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『転校生』の噂は−
噂と言っても、あれだけの大声で城之内君が叫べばクラス中に響いた訳で。
何だか教室中が、そわそわした雰囲気へと変わっていた。
ボクはと言えば…転校初日の事を思い出し、少しうんざりした。
程無くし、先生が入室してくると愈々空気が緊張した様な気がする。
「知っている者も居るだろうが、今日から一人クラスメイトが増える。入って来なさい。」
静かに教室の前方のドアが引かれる。
促されて入って来たのは…入って…来たのは…?
…?
…あ…れ…?
あれは…?
「あああああぁぁーーーーー!!?」
考えるより先に身体が動く。
先生の言葉でそろりと開けた扉から現れた少女を見た瞬間、ボクは反射的に立ち上がり、大声を上げた。
それはあまりにも唐突で、反射としか言い様が無い。
椅子と床が引っ掛かる様に不快で大きな音をたて、頭で考えるよりも先に身体が動いた。
教室中の目が入室した少女では無く、ボク自身に注がれているのを痛い程に感じる。
感じるんだけど…。
「!?」
「え?は?はい、ん?…え?…。…えぇ!?りょ…了!?こんな所で何してんの!!?ええぇ!?」
完全にコントロールを失ったボクの身体は、続けて大きな声のまま彼女の名を叫ぶ。
そう、それは正しく、”叫ぶ”と言う表現が正しかった。
教室に入って来たのは、ボクが転校を繰り返す前にずっと一緒に居た人。
特別に仲の良かった、と言う名の少女。
突然自分の名を呼ばれた彼女は、瞬間呆気にとられて居たが、ボクと目が合うと同じ様に大きな声でボクの名を呼ぶ。
他人の空似、人違い等では無い。
紛う事無き、その人なのだ。
驚いた。俄かに信じ難い…。いや、信じられない。
一体何故彼女がこんな所に…?
ボクが元々住んでいた場所から、この童実野高校は少し離れる。
と言う事は、彼女が住んでいた地区からも離れていると言う事だ。
なのに…何故?こんな所に、が?
様々な疑問が浮上しては消えていく。
だけど、それよりも明らかに彼女の方が動揺している様だった。
此方を指差し、次の句を繋げ様と開かれた口からは、終に言葉は紡がれる事は無かった。
普通にしていれば綺麗な筈の彼女は、驚き過ぎたからなのだろうか。仰け反った揚句、蟹股だなんて…。
そんなところも可愛いと思ってしまうのは…決しておかしい事では無い筈だ。
だって、何故なら−
「何だ獏良、知り合いかぁ!?」
「し…知り合いって言うか…その…!」
城之内君が身を乗り出して聞いてくる。
流石にボクでも、此処で彼女が片思いの相手だなんて事は…言えないよ。
その後教室は面白いくらいに混乱した。
事態が飲み込めずにうろたえたが、あろう事か「え、ちょ、如何なってるの瀬人!?」とか言い出したからだ。
あちこちから"えー!"とか、"わー!"とか、"きゃー!"とか。そんな悲鳴にも近い…黄色い声が教室中を飛び交う。
ボクはと言えば、その時初めて今日海馬君が登校している事に気が付いた。
教室の後方、一番後ろの海馬君の席を振り返ると、海馬君も驚いた様子で口を半分だらしなく開き、面白い顔をしている。
立ち上がってさえいなければ写メ撮ってたのに…残念だな。
そしてふと、ボクはすっかり座りそびれてしまった事に気付く。
タイミングを逃したボクも、だらしなく其処に立ち尽くす事しか出来ないのだった。
収拾がつかなくなった所で、漸く先生が大声で制す。
如何にか着席の機会を得たボクは、クラスメイト達の中にそっと溶け込むかの様に座った。
一応場は静まったものの、明らかに変わった空気。
緊張感のある少し張り詰めた雰囲気から…好奇心と言うか…興味津々と言った面々に…。
何とか場は静まり、やっとお決まりの自己紹介がなされる。
その間ボクは、やっぱり転校初日の事を思い出してうんざりしていた。
…は大丈夫かな…。
心配と同時に、澱の様な何かが…心の中に黒くじわりと滲み上がる。
それにしても…
何で海馬君なんだ?
20090808 加筆修正。