-
Dream Story
- ばくらけ
- 【寒い朝は】 【雨とあいつ】 【根競べ】 【眠り姫vs日曜日よりの使者】
- ⇒+ remise +
- ⇒+ aller a TEXTE +
- ⇒+ aller a principal +
水の中を浮上する様に目が醒める。
時刻は午前6時。
鳴りかけたアラームを即座にOFFにする。
…寒ぃ。
ベッドサイドに掛けて置いた上着を羽織りリビングへ向かう。
暖房器具を即座にフル稼動させるが…暫くは冷え切ったままだろう。
カーボンヒーターを片手に持ったままキッチンへ移動し、
取り敢えずコーヒーを用意しテーブルへ戻る。
…眠い。と言うか怠い。
オレは朝が…寝起きのこの怠さが好きじゃねぇ。
無意識的にそれが顔と言わず全身から惜しみ無く垂れ流されているそうで
同居人達にごちゃごちゃ言われてからと言うもの
…こうして独り、涙ぐましい努力を強いられているってぇ訳だ。
思い出したらまた腹が立ってきた。
…めんどくせぇ。
テーブルに肩肘をついたまま思考から手を離す。
天気は良い様だ。
程なくして遠くの方から微かに響く電子音。
7時−あいつのアラームか。
それは鳴ったかと思えば止まり、止まったかと思えばまた鳴り始める。
それが終わる気配は残念ながら無い。
立ち上がり身体を伸ばす。
如何やらオレ様は完全に覚醒した様だぜ。
あいつの部屋へ向かう。
アラーム音は相も変わらず鳴ったり鳴り止んだりを繰り返している。
…全く。だらしねぇ。
「おい。」
ドアを開け、中に入りベッドサイドでしゃがむ。
部屋の主、は現実から目を背ける様に頭まですっぽりと布団を被っている。
するとそれがきっかけだったかの様にまた鳴り始める電子音。
布団の中から手だけが出て来て音源をまさぐる。
オレは…何気無く音源である携帯をそっと取り上げた。
ベッドの中から心許ない白い腕が這い出る。
それはゆらゆらと探し物をするが、勿論見付かる訳がねぇ。
オレ様の手の内にあるんだからなぁ?
携帯のアラームは段々とヒステリックな音を出す。
そのうちぱたぱたと音を立てて探し始める腕。
何故か少しだけ面白い。
当のお探し物はと言うと−只今音量最高潮。
すると漸く
「……ぅ…るさ…なんでない…?…?」
顔だけ出て来る。
「よぉ。」
「…バクラ…ちょ…うるさ…それ…とめて…」
しっかり寝ぼけてやがる。
止めると思ってるのかねぇ?このオレ様が。
「おらよ。返してやるぜぇ?」
オレはの耳元に相変わらず馬鹿みたいにヒステリックな音で鳴り続ける携帯を落とす。
「っうわっ…!」
想像していたよりも驚いた様で
今までの緩慢とした動きからは思いもよらない早さでアラームをOFFにする。
「よぉ。目は醒めたのかぁ?」
「…お蔭様で…。」
「…何でにやにやしてんのよ…?」
怪訝な顔で聞いてくる。
にやついてなど…いるのだろうか?
「寒っ…。」
半身を起こし、ぐっと一度身体を伸ばした後小さく呟きまた布団の中に入ってしまった。
「おい。」
「だって寒いし眠い。」
眠いと言う割にしっかりとした意思ある口調。
「テメェ…いい加減にしやがれ!」
「ぎゃああぁっ!!」
オレは思い切り布団を引っぺがす。
…にしてもこいつ…もうちったぁ可愛い悲鳴を上げられねぇのか?
「なな、な、何すんの返してよ!!」
「とっとと起きねぇと襲うぜぇ?」
言いながら近くに落ちている上着を投げてやる。
脱いだ服を床に置くなと何回言えばこいつは解るんだろうか。
「朝から何言ってんのよ…遅刻しちゃう…」
「…はっ。遅刻!!」
「したくなきゃあ起きるんだな。今すぐだ。」
はわぁわぁ言いながらリビングへ小走りして行く。
すると−
「バクラのバカー!!まだ15分にもなってないじゃないー!!!」
なんだ。て事ぁ10分程度の事だったのか。
なら…
本当に襲っちまっても良かった訳だ。
軽く舌打ちしながら剥いだ布団を直し、の待つリビングへ向かう。
さぞかし面白ぇ顔で向えてくれる事だろう事を期待してな。
「あ。言い忘れてたぜ! おはよう、バクラ!!」
今日もこいつの頭の中は平和だ。