Short Story
A deadly week
【何もかも真っ白な月曜日】 【殺した火曜日】 【泣き出したい水曜日】 【甘すぎる木曜日】 【飛び降りた金曜日】 【それでも廻る土曜日】 【全てが終わる日曜日】


⇒+ remise +
⇒+ aller a TEXTE +
⇒+ aller a principal +


みんなが笑ってる
何時もの日常。
平穏で退屈で。
でもきっとそれは
ボクも望んでいた筈なのに。

何でだろうね?
何処か空虚なんだ。

きっとこれで良かったんだなって思うよ。

考え事を邪魔される事も無いし
何時何処でも構わず話し掛けられる事も無いし
寝起きが悪くなる事も無くなったし
変な怪我も無くなったし
痛い思いをする事も無いし
自分のペースを乱される事も無いし
もうこれでボクの知らない事も無くなるし
何時も本当のボクで居られるもの。

…本当のボク?
本当のボクって
一体誰だ?

不意に視界に入る。

鏡の前に立ってみる。

これはボクだ。

これがボクだ。

違う。

何か違う。
何処か違う。
これは誰だ。
これは一体誰だ。
これがボクか?

違和感。

何か違う。

何かが違うんだ決定的に足りない。

『キミ』と『ボク』でボクだったんじゃないのか。

ねぇそうだろう?

視線を上げた先
視界に入る『キミ』。

やっぱりキミは目付きが悪い。

違う。

これは

『ボク』。






痛い。

何だ。

血が出てる。

またキミかい?

好い加減にしてよ。

ねぇ返事しなよ。

まただんまりなの?

度が過ぎるとボクだって怒るよ?

何か言ったら如何なの?

何か言う事があるんじゃないの?

ねぇ?

ねぇ。

ねぇ…




解ってるよ。

散乱した家具。

振り下ろした椅子。

割れた鏡。

そこに映る

無数の誰か。

解ってる。



この中にキミは居ない。

何処を探したって

もうキミは居ない。

解っているのに。








『さようなら』

大嫌いで大好きだった『キミ』。






『殺した火曜日』